桃泉の備忘録

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【スーパーの秘策】半額のお惣菜でも利益が出るカラクリとは?

スーパーの秘策サムネ

半値印証時刻~ハーフプライスラベリングタイム~

こんにちは。桃泉です。
スーパーは商品の劣化に応じて値下げを行いますが、中でも顕著なのがお惣菜のタイムサービス
「楽しみにしている♪」という方も多いのでは?

おかずの一品追加に便利よね~♪

でも気になるのは、お店の利益。
表向きには「赤字ですよ~」という顔をしていますが、本当のところは怪しいもの。
お店は営利団体ですから、儲からないことは基本的にしませんからねw

桃泉も赤札にはお世話になりますし、DCストアで商談や値付けも経験していたので他人事じゃありません。
今回は経験とリサーチで得られた半額で商品を売っても利益を出せる、スーパーの秘策について情報共有しますね。

……あなたはスーパーの秘策に嵌ってませんか?
(最終更新:2022/4/1)

お惣菜の半額シールで利益が出るカラクリとは?

多くのスーパーでは閉店時間が近づくにつれて1割引、2割引……と割引サービスが始まります。
閉店間際ともなると半額引きやそれ以上の割引きで、「完全に赤字でしょ!?」という価格破壊もザラなわけで。
ここまで値が下がると、お客さん同士で争奪戦が始まります。
まさにベン・トーの世界ですねw

殴り合いはしないけどな?

それはそれはディープな世界が広がっているもので。
事前にタイムサービスの時間をリサーチしていたり、虎視眈々と店員さんの動きをチェックしていたり……とかなりの猛者も見られます。

ただし『安く仕入れて、高く売る。』これは商売の鉄則です。
この原則を乱してしまうと商売が成り立ちませんからね。
桃泉もここはキツ~く教わったのをよく覚えていますw

ですので値引きをするには、ハッキリとした理由が必要です。
理由というよりも目的、さらに言うなら戦略が「半額シール」にはありました。
その戦略はざっと

・商品廃棄を無くす
・集客効果を上げる
・ついで&衝動買いの誘発
・薄利多売の実績作り

などが挙げられ、複雑に絡み合うことでお店に多大な利益を貢献します。
これぞ”スーパーの秘策”と言っても過言ではないでしょう!
それでは詳しく確認していきましょう♪

 

表向きの理由は賞味期限

最初に考えるべきは「なぜ値下げをするのか?」でしょう。
これは多くの方が指摘されるとおり、賞味期限の問題が大きいです。
特にお惣菜の場合は製造日限りの消費期限ですから、さらに制限が強くなりますね。

いずれにしても売れ残ったら廃棄一択。
廃棄するのにもお金がかかりますし、仕入れ原価も取り戻せません。
なので、値下げをしてでも売り切った方が得なのは当の然乃介ですね。
ちなみにお惣菜の値引きは経験上、こんな感じ。

【第1段階】閉店3時間前ほど、1~3割引
【第2段階】閉店1時間前ほど、2~5割引
【最終段階】閉店30分前ほど、5~割引

もちろんお店によって多少は前後しますが、まるでフリーザ様の変身の様に段階を追って割引率も変わります。
……強気なお店は閉店間近ギリギリで割引を始めますがw

でも、飲食チェーン店は割引しないよね?

確かに有名飲食店はショーケースに商品が残っていても、値引き販売しない所もあります。
この理由はお店のブランドを守るためというのが通説ですね。

売れる商品群が限定されていると、割引期間しか売れなくなりますから。
そう言えば、とあるチェーン店が定期的に開催していた「全品100円セール」が無くなって久しいですねぇ(つд⊂)

徹底しているところは、売れ残りを全て廃棄すると聞きます。
単価が高いのも廃棄分を含んでいるからでしょう。

しかしスーパーは一般的な小売店
ブランドを気にすることなく、割引き販売ができる訳ですね。
と、ここまでが表向きの理由です♪

余らないように作ればいいじゃん?

半額以下の投げ売り

ここまでの話だと「余らない様に作ればいいでしょ?」となりますよね。
確かにその通りで、全て設定価格で販売できれば儲けも上がります。
割引シールを貼るのにも、シール代や人件費がかかりますからね。

でもお店は結局、割引販売に行きつきます。
頭が悪いのではありませんよ?
完全にコントロールするのは難しいのです。
もちろん、天候不順など客入りを予想した上でも…です。

はい。こちらも実は建前で、敢えて余剰に作る理由もあるんですよ。
たとえば、お店に行って陳列棚に何も無かったらどうでしょうか?
逆に品数多く商品があったらどうでしょうか?
商品にボリューム感を出すことは、お店のイメージと購買意欲に直結するのです。

流石に半額はやり過ぎじゃない?

割引に関しても様々な手法があるので割愛しますが「全体で黒字ならOK」という考えがふつうです。
経験上、多少値下げした位じゃお客さんは動かないものなんですよ。
「1割2割程度ならスルーしても、半額なら手に取る」というのは買い物あるあるでしょ?
ほんの数十円の違いでも、心理効果はかなりのものです。

売り切りたい場合は思い切って血を流す覚悟が小売店には必要なんですよね。
損切りはビビッたら負けなんですゎw
だって、売れなければ100%以上の赤字になるのだから。
実際に桃泉も棚から消したい商品は、7~8割引きまでヤッてましたw

んで更に言うなら、売価は割引販売を見越して設定します。
設定次第では、半額で売っても黒字にすることも可能ですよ?
むしろ過剰な割引に見えるなら、それは集客に繋がるってこと。
チラシを撒くのに3~40万円かかることを思えば、実利がある分可愛いものです。

売れ残りを再利用している!?

ここまでは廃棄率低下とイメージ戦略のお話でしたが、もう少しディープにイキますよッ!

スーパーには青果/肉/魚といった部門もありますので、当然各部門でも売れ残りは存在します。
この売れ残りを廃棄するか、それとも再利用するかはお店の裁量次第。
衣を付けて揚げれば判りませんし、表記するのは製造年月日ですから……ね♪

最近は大丈夫みたいだけどね。

今ではお惣菜をウリにしたお店が増えたことで、ひと昔前の話に聞こえるでしょう。
大手ではセントラルキッチン方式を採用している所も多いですからね。
ただし、まだまだ油断はできなさそうですよ?
引用するのも怖ぇので、リンク貼っときヤス。

(参考①:スーパー店員が明かす食材使い回しの現場 古米弁当、鶏肉3段活用… | マネーポストWEB)
(参考②:スーパーマーケット「死の食品」全調査(2)「パック詰め日」から起算して… (2018年5月29日) - エキサイトニュース)

(参考③:『あなたの知らないスーパーの裏側徹底検証』を見て)

ふぅ……ディープ過ぎたゎwww
「信じるか信じないかは~」ってところですが、日ごろから素材を見る目を養っておきましょ。

ついで買い効果

さらに割引されるのは、お惣菜ばかりではありません。
他の劣化した生鮮食品や日配品も割り引かれます

ここでスーパーの店内図を思い浮かべてみて下さい。
出入口から壁沿いに青果/鮮魚/精肉/日配/お惣菜と、店全体をぐるっと回るように配置されているのに気づくでしょう。
つまり半額のお惣菜目当てのお客さんに、店内を回遊させる導線が引かれる訳です。

ここで少しでも「得だな」と思わせれば、お惣菜プラスαの商品が売れることになります。
商売のプロが作った棚ですからね、

・エンドの山積み陳列
・島端の投げ込み陳列
・定番品に紛れた月間特売
・中央通路のワゴン陳列
・レジ前陳列

などなどハッキリ言って罠だらけですw
お店に滞在する時間に比例して、どんどん沼にハマっていきます。
こうして、気づけばカゴパンパン現象発生と。

これがいわゆる”ついで買い”というもので、割引されていないお菓子などの商品もついでに売れるチャンス到来となります。 
他の商品がしっかり売れれば、割引の赤字なんて気にならないほど儲かりますし♪

んで、この割引が行われるのは客数の減る夜の時間帯
昼間とはまた違った活気をお店に宿すことで、購買意欲が高まるって寸法ですw

スーパーコワイ。

衝動買いを誘発するゲリラ割引

たまにありませんか?「えっ!この時間で半額なの?」ってこと。
もちろん急な天候悪化で客数が伸びずに、割引を早めているパターンもありますよ。

しかし、それ以外に”意図的に”割引を行う場合もあるんです。
普段は滅多に買わないものでも、「半額」と言われれば飛びつきたくなっちゃいますからね……

たとえば新商品
”新商品”と銘打つものの、よく分からないものは手に取りづらい。
それも当然、人は損することを嫌悪する生き物ですからね。

とはいえ初動で商品の価値が伝えられないと、その商品は消えゆく運命が約束されます。
開発費や多大な努力が無駄になるのは、極力避けたいところでしょう。

そこで割引シールの出番です!
「よく分からないから…」を「よく分からないけど!」にひっくり返します。
割引きで利益が0になっても、お客さんに持って帰らせるのが大正義。
試供品では店舗に来たお客さんにしか商品が伝わりませんが、家族/友達でシェアされればヒット率も2倍3倍になりますからね!

本当に優れた商品なら、今度は正規の価格で売れるようになります。
ワンチャン、リピート客の創造も狙えて一石二鳥。
言ってみれば、パチンコ店のグランドオープンのイメージですゎw

他には錯覚効果
よく精肉コーナーで行われているのがこの手法で、敢えて割引前の価格を高めに設定して安く見せる効果があります。
さらに折込み/インプロチラシと組み合わせて使うことで、常連~一見さんまで幅広く取り込む効果も♪

確かに通常価格よりは安くなりますが、割引シール効果で余計に安く感じてしまうんですよね。
「半額」と書いてあっても桃泉の経験上、実際の価格は2割引き程度だったというのがほとんどですw
……ひでぇなぁ(# ゚Д゚)

割引シールは「半額だから買わないのは損!」と言う心理を逆手に取ってお試し/大量購入をさせる、まさに薄利多売の起爆スイッチなのです!
そして「安い」イメージを植え付けられれば……

「こうどなじょうほうせん」だぁ~

お惣菜はドル箱商材

わざわざ機材や人材を揃えてまで「お惣菜コーナー」を展開しているのは、当然儲かるからなんです。
一昔前は人件費や廃棄率の高さから「あまり儲からない」とされてた様ですが、中食文化へ変遷したことで一気に風向きが変わりましたね。
セントラルキッチン化などで業務効率がカイゼンされて、一層ドル箱商材としての立ち位置を確立しています。

惣菜市場は2005年の7兆5,804億円から2015年の9兆5,814億円まで26.3%成長した。
恐るべき「イートイン」大戦争、惣菜が日本の外食を大きく塗り替える |ビジネス+ITより引用

そもそも、お惣菜ってかなり利益率が高いんですよ。
スーパーにおける平均粗利率が約25%なのに対して、お惣菜は約38.5%と高く設定されています。
商品に独自の付加価値が加われば、利益を乗せることも容易ですからね。
(参考:食品スーパーマーケットの粗利率は約25%!: 食品スーパーマーケット最新情報)
(参考:目標とする利益率|数字でみるスーパーマーケット|統計・データでみるスーパーマーケット)

さらに売り上げ構成比も素晴らしい。
11種類の項目食品中、堂々の1位13.5%を誇るデータもあります。

人がいる所に人は集まりますから、お店は客数をどうしても増やしたい。
それを叶えるツールがオリジナル商品の、お惣菜なのです。
お店の顔となるお惣菜があるだけで、リピーターの創出が可能ですからね。
お惣菜=チート商材と言っても過言ではないでしょう。

唐揚げ戦国時代なんて言われるもんねぇ~

ふつうに売れればお店の利益を牽引し、値引きして売れれば客寄せパンダになる!
お惣菜ひとつでウハウハできちゃう訳ですゎw
売れて儲かる商材となった今だからこそ、スーパーはお惣菜に力を入れているのです。

結論まとめ:半額は(店側の)大チャンスタイム!

割引を使用した戦略は語りつくせないほどありますが、今回はここまで。
「半額」というタイムサービスは、お店にとってもチャンスタイムでしたw

お店の巧妙なワナを掻い潜るコツは空腹時には買物に行かないことです。
割引されていると誘惑に負けそうになりますが、冷静な目で価値を見極めましょう。
買い物メモを作って、必要なもの以外を買わないようにする工夫も良いですね。

それではポイントを整理しましょう。

★ポイントまとめ★ ・半額にするのは売り切るため
・ついで買いが王道パターン
・宣伝や錯覚狙いで割引する
・お惣菜はチート商材

シール1枚で人々の動きを操るスーパーの戦略、恐ろしいですね~。
お店は割引シールを狙う「シールハンター」こそ、ターゲットにしています。
うまく立ち回って、納得できるお買い物を心掛けたいですね。
深淵を覗くとき、深淵もまたこちらを覗いているのですから……

結局「掌の上」だったのか!