桃泉の備忘録

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揚げ物の衣が剝がれる原因はコレ!失敗しない揚げ方のコツ8選【図解あり】

失敗しない揚げ方のコツ8選サムネ

揚げ物が得意になっちゃうかも!?

こんにちは、桃泉です。
ザクザクッと香ばしく歯触りが楽しい揚げ物!
揚げたてアッツアツのや~つに齧りつく、あの背徳感は想像しただけで涎がԅ(¯﹃¯ԅ)
だけどお家で揚げ物ってちょっぴりハードル高いですよね…
しかも頑張ってチャレンジしても、衣がベトベトしたり剥がれたりした日にやぁorz

誰もが通る道かもね…

桃泉もか~なり揚げ物を作っていますが、最初の頃はなんとな~く作ってたもんですから……(思い出したくもないッ!)
ということで今回は失敗しない揚げ方のコツとして、揚げ衣の剥がれを防止する方法について共有しますね。

結局は水と油のカンケイをしっかり理解して、衣の密着不足を解消してあげれば無問題なのですが、粉/水/油/温度/タイミング/保管……となかなか気を抜けません。
揚げ物って大雑把な料理に見えるけど、実は意外と繊細なんですょ♪

(最終更新:2025/10/5)

 

 

 

揚げ衣が剥がれてしまう原因と対処法

先にお伝えした通り、揚げ衣が剥がれてしまう原因を一言で言えば衣の密着不足です。
そこで最も着目すべきは油と水のカンケイ。
水分子と油の分子は結びつくことができず、水は水/油は油とそれぞれの分子同士で強く結びつくため混ざりにくいのです。

これを利用した調理法こそが”揚げる”ということ。
加熱によって水分が飛んだ衣の表面の隙間に油が入り込み、乾燥することであのサクッとした食感が生まれる仕組みです。
さらに衣という壁の中で逃げ場を失った食材自身の水分を使って蒸される、言わば”蒸し料理”の側面も持っているのですね。

水/油/衣の三位一体が揚げ物なんだね!

これらを踏まえた上で「なぜ衣剥がれが起きるのか?」を考えていくと理解もしやすいと思います。
それでは衣剥がれの原因と、その対策方法を一緒に学んでいきましょ♪

 

原因1:食材の水分が多い ⇒ 食材の水分をしっかり拭きとる

 食材の水分をしっかり拭きとる

食材の表面に水分が残っていると、すぐに水蒸気が出て衣が浮いて剥がれやすくなります。
つまり水蒸気の膜が出来て衣が密着できないまま加熱されてしまうのですね。
さらに衣の粘度が下がることで流れやすくなり、材料に付きにくくなる点も挙げられます。
ポン!と小さな爆発を起こして、油が跳ねるのも食材に付いた水滴が原因の一つです。

なので衣を付ける前の材料の水分は、キッチンペーパーなどでしっかり拭き取るのがおススメですょ♪

野菜は洗ってからすぐ拭き取るのもポイントね!

 

原因2:食材が冷たすぎる ⇒食材を常温に近づけてから使用する

食材を常温に近づけてから使用する

まず原因1にも通じますが、食材の温度が低いと結露が起こって表面に水滴が浮いてしまいます。
そして冷たい食材は油の温度を急激に下げるので、衣が緩くなって定着せず食材から滑り落ちてしまうのですね。
さらに油の温度が高くないと対流が起きないので、全体に熱が伝わらず揚げムラになってしまいます。
油の温度が低くなると食材の生焼け状態になる可能性も上がりますし……

10℃下がると揚げ時間が1.5倍必要とも!?

このように材料の温度が低すぎると油の温度が下がってしまうので、ある程度常温に近い状態にしておくのがおススメです。

ただし補足として、温かいコロッケ/クリームのタネは冷やすことで形が安定し、タネの水分が水蒸気になる時間も稼げるので、冷やしてから揚げるのがコツなのです。
一見矛盾しているようにも思えますが、食材によってどうアプローチするか?
を考えると、冷やすことでメリットも出る場合があるので奥が深いですよね~♪

 

原因3:衣の密着が不十分 ⇒衣付けの手順を丁寧に

薄切りロースハムカツ

まず衣の下地として小麦粉や片栗粉といった、下粉が食材全体にしっかり付いていないと衣剥がれの原因となります。
(画像は昔お肉屋さんで買った思い出のハムカツを再現するため、下粉をテキトーにつけたハムカツですwちゃんとやらないとこんな感じでまばらになりますょ~)
水/卵/小麦粉を混ぜたバッター液を使う場合は、水分量が多いと食材と密着できずに流れ落ちてしまいます。
またフライであれば卵液やパン粉も付けますが、衣全体の層が均一でないと加熱も不均一となり、厚く付いている部分がベロッと剥がれてしまいます。

衣付けの工程は超重要ですぞ!

なので対策としては気にする部分も多く、

打ち粉は食材全体に薄くまんべんなく付け、よくはたいて均一にする。
卵液白身を切って混ぜ食材をサッとくぐらせ、滴らない様に余分を落とす。
パン粉はしっかり押し付けて、かつ余計なパン粉を落とす。
打ち粉⇒卵液⇒パン粉といった順序を守る。
バッター液は程よい粘度を意識、Mサイズ卵1個/小麦粉40g/水50ml位が目安。

特に打ち粉は食材の水分も吸ってくれる衣の土台となり、食材と衣をつなぐ接着剤の要です‼
バッター液使用の場合でも、水分が多かったりツルツルした食材なら打ち粉の検討も♪

 

原因4:油の量が少ない ⇒食材がしっかり浸かる量の油を使う

油たっぷりの揚げ物

油の量が少ないと食材が油面から顔を出してしまい、温度が安定せず揚げムラとなって衣がふやけてしまいます。
また油の量が少ないので温度が一気に上昇したり、食材が入った時に一気に下がったりとやはり温度を一定に保つのが難しく衣の定着不足に繋がります。
さらに温度の上昇が早いと、蒸気が急激に出るので衣が破裂する可能性も高まりますね。
あとは鍋の材質にもよりますが、食材が油で浮かないから鍋底にべったり貼り付いて衣が剥がれてしまうことも。

なので油の量は小鍋なら300ml~、中鍋なら500ml~と鍋の深さの1/3程度は確保しておきたい所です。
一度に多くは揚げられないけど、深さのある小鍋を使うと油の量は節約できますね。
どうしても油の量が確保できない時は、少量ずつ揚げるのも温度を一定に保つコツです。

揚げ焼きが便利なのにねぇ……

通常より少ない油で揚げる揚げ焼きといった調理も手軽な反面、調理難度は意外と高くなるので上手に使い分けて♪

 

 

原因5:油の温度が低い⇒170〜180℃をキープする

170〜180℃をキープする

油の量と内容は似ていますが、やはり低温で揚げてしまうと衣がすぐに固まらずふやけて剥がれの原因になります。
また低温だと対流も起きないので揚げムラとなって衣が剥がれる原因にも。

対処法としての理想は170~180℃を保って揚げると衣も定着しやすいので、できればリアルタイムで観察できる温度計があると便利です。
衣を油面に落としてすぐ浮き上がってくるのが、170~180℃の目安になるので併せて覚えておくと良いかも?

食材も一度に大量に入れたい気持ちも分かりますが、ここは堪えて入れる食材は油面の7割未満に抑えておくと温度変化も少なくて済みます。
また、ここでも原因2(冷たい材料)や原因4(少ない油量)の知識を活かしてくださいな♪

ちなみに190℃以上の高温になると衣の硬化/膨張/破裂で剝がれやすくなりますし、生焼け/コゲ/油の劣化や最悪の場合火災にも繋がるので適温を守って下さいね。

目を離すなよ!絶対に……な‼

 

原因6: 揚げ始めに触る⇒最初は触らないように

最初は触らないように

衣が固まっていないうちに触ると、箸や他の食材に衣が付いて破けたり形が崩れてしまいます。
また食材を入れた時は油の温度が下がって対流が止まるので、動かすと対流が乱れて揚げムラになる可能性も。

食材を入れる時が緊張するのよね…

対策は”じっと待つ”のが大切!ツンツンしたい衝動はよ~くわかりますが、ここは我慢してとりあえず30秒は耐えましょ。
油跳ねが怖いからと食材を投げ入れてしまうと余計に跳ねますし衣も崩れるので、そーっと滑らせるように油に入れるのもポイントです!

かき揚げは衣が固まらないうちに形を整える作り方もありますが、まずは木べらから滑らせる作り方から慣れていくと良いですょ♪

 

原因7:揚げすぎ/揚げ不足⇒適切な時間で揚げる

適切な時間で揚げる

揚げる時間が長いと衣が硬くなって割れてしまい、逆に短いとふやけて剥がれ落ちてしまいます。
短い時間だと揚げ色も白っぽく、長い時間だと黒くコゲてしまいますね。

やっぱり茶色は正義だよねぇ~

対策としては適切な揚げ時間の見極めとなりますが、観察すべきは……

・泡の大きさと音の変化
⇒大きな泡から小さな泡に変化し、音が静かになったら揚げ上がり
・食材の高さ
⇒最初は沈んでいた食材が浮き上がってきたら揚げ上がり
・衣の色付きと香り
⇒食材に火が入り揚げ揚がったら、キツネ色の衣と香ばしい香りを確認して完成‼

薄衣の高温で仕上げる野菜天ぷらは1分ほど、中まで火を通す鶏唐揚げなどは5分ほど、中の加熱が済んでいるコロッケは衣が揚がる3分ほどetc~と、中の食材や衣の種類に応じて必要な揚げ時間を覚えておくのも良いですね。
特に鶏唐揚げや豚カツなどで大きいお肉を使う場合は、余熱も考慮に入れた2度揚げがおススメです!

適切な時間で揚げることは衣剥がれだけでなく、食材の生焼け/パサ付き/油の吸い過ぎ/油跳ね/焦げ付きを防ぐ効果もあり全体的な仕上がりを決定づけます。
揚げ時間の見極めこそが腕の見せ所、回数をこなすことでどんどん習熟しますょ♪

 

原因8:揚がった食材同士を重ねる⇒保管まで気を抜かずに

網付きバットの活用

上手に揚げられた~とお皿の上にどんどん積み上げてしまうと、気付いた時には底に油溜まりが出来て食材の底面がベチャベチャになってしまいます。
また積み上げないまでも側面が他の食材と触れ合うと、その部分が蒸れて衣がくっ付いて剥がれることも。
上からアルミホイルをかけて置いたら、全体が蒸れて全てがシットリしてしまった……これもあるあるですね。

今までの努力が台無しだょ~

対策は食材との設置面積を極力避け、空気に触れさせることが大切です。
揚げ上がりは金網や網付きバットの上で油をしっかり切りつつ粗熱を取るのが◎
衣が乾いてからお皿に移しかえると食材同士が触れ合ってもくっ付かずに済みます。

またラップやアルミホイルは密閉性が高く油/水分を吸わないので、上に掛けるならキッチンペーパーをふわっと乗せて上げると良いです。
どうしても食材同士が触れ合ってしまうようなら、こちらもキッチンペーパーを挟んであげましょ♪

 

結論まとめ:ルールを守れば素材と衣は仲良しに♪

エビフライの衣が剥がれる

以上が揚げ物全体における、衣剥がれの原因と対策方法でした。

他にも食材に応じて切り込みを入れるなど、衣が密着しやすいよう工夫することも大切です。
例えばエビフライでしたら筋切りを行うことで真っすぐに揚げられますし、切った部分に打ち粉が入るので衣の楔となって身の縮みによる衣剥がれも耐えられますょ♪

海老だけスポンッと抜けなくなるゎ~

また剥がれてしまった衣でも軽く砕いて「衣クランチ」として使用すれば、サラダなどのアクセントになります。
天ぷらの衣であればそのまま揚玉として使えますし、捨てちゃうのはちょっと勿体ないかも?

さて、長くなってしまいましたが今回はここまでということで、衣剥がれに困った時にはまたこの記事をご参考にして頂ければ幸いです♪

最後までお付き合い頂きありがとうございました!
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